こんにちは。こまちです。
今日も元気に発達障害児の母をやっています。
一冊読み終えたので、
記事にしていきたいと思います。
東田直樹さん著
「自閉症の僕の七転び八起き」です。
東田さんは
会話も思うように出来ない
重度の自閉症の方です。
しかし、
パソコンや
文字盤ポインティング
(文字盤に並んだアルファベットを一文字ずつ指で差す方法)を使って
コミュニケーションがとれ、
今は作家として活躍されています。
東田さんが13歳のときに書いたとされる
「僕が飛び跳ねる理由」は
30ヶ国以上で翻訳され
ベストセラーになっています。
13歳ですよ、13歳。
それまで、
自閉症の方が自分の言葉で
心の内を見せる書籍なんて
ありませんでした。
当事者の等身大の気持ちが書かれた
とても希少な本なんです。
私の頭を殴った10文字
本作は、
東田さんから見た世界や、
東田さん自身の気持ちが
ビシバシ伝わってくる本でした。
「僕の自由」「僕が話せなかった頃」に
東田さんがまだ
コミュニケーションツールを
持たなかった頃の気持ちを書いています。
「僕の自由」
どうして話せないのか、僕はずっと不思議でした。
小さい頃はわけがわからず、ただ悲しいだけでした。
「自閉症の僕の七転び八起き」
「僕が話せなかった頃」
僕はとても孤独でした。
ひとりでもいいのです。自分のことを、分かってくれる人がいれば、人は希望を失わずに生きていくことができます。
僕はいつも、どうして僕だけ話せないのだろうと、ずっと悩んでいました。
自分が話せるようになる夢を何度も見ました。
「自閉症の僕の七転び八起き」
衝撃でした。
「ただ悲しいだけでした」という
一文は私にはショックが大きかったです。
うちの3歳児しょーくんは
発達障害があり、
発語がありません。
保育園の先生やモニタリングの場では
「こちらの指示は
簡単なことなら通ります」
「しょーくんは
言葉を理解できています」
と伝えてきたのに、
「言葉を理解しているしょーくんは、
自分が話せないことを
自分でどう思っているのか」なんて、
考えたこともありませんでした。
「話せる人たちの中で、僕がどんな気持ちだったかは、苦しいという言葉以外には思い浮かびません」
「自閉症の僕の七転び八起き」
この言葉にハッとさせられ、
涙が止まりませんでした。
私から伝える10文字
その日から、
「しょーくん、大好きだよ」
「みんな いっしょだよ」と声をかけて、
ハグをして伝えました。
最初は無表情で体をエビ反りにする
しょーくんが、
日を重ねるごとに少し抵抗を止め、
時々、時々ですよ、
本ッ当ーに時々ニコッとしてくれました。
これホント、涙が出ました。
また、東田さんは
「親」についてこう記しています。
自閉症の子供は、幼い頃は親のこともわからないのではないか、という話を時々聞きます。
僕も親のことを認識したのは、普通の子供より遅かったのではないでしょうか。
親という意味がわからなくても、どれだけ愛情を注いでくれたかは、体に沁みこんでいるものだと感じるからです。
恥ずかしながら、私は、
しょーくんと親子関係を
うまく結べませんでした。
しょーくんが生まれたとき、
私ではなく旦那さんが育児休暇を取得し
1年間大切に育ててくれました。
保育園の送り迎えも、
旦那さんがしてくれています。
そりゃあ、
私との関係を築くも何もないだろう。
でも、
今からでも時間を重ねていくのは
遅くないと自信をくれました。
自閉症の東田さんが書いたから
「自閉症者はみんなみんなこう思ってる!」
というふうに見ているわけではありませんが、
尋ねても教えてくれるはずのない
しょーくんの気持ちの一部が
本書に書かれているのでは?
と思って読んでいると、
しっかり引き込まれてしまいました。
この本は言葉がやさしくて、
小学生の子にも
オススメできる文章量です。
構成もだいたい見開き1ページ。
スキマ時間でも読みすすめられます。
文体が話し言葉なので、
東田さんの気持ちをなぞっている気分になりますよ。
文字はすらすら読めるのですが、
東田さんの言葉のひとつひとつを
拾い上げていくと、
自分の中に落とし込むまでに
随分と時間がかかってしまいました。
それだけ、
中身のぎゅっと詰まった言葉です。
気になった方、
ぜひ、
時間をかけて読んでみてください。
コメント