2つの計画書
療育を利用し始めると、
「サービス等利用計画書」
「個別支援計画」
という言葉を聞くようになります。
でも、名前が似ていて
「何が違うの?」
「説明を受けたけど、正直よく分からない…」
と感じたことはありませんか?
私も最初はそうでした。
この記事では、
発達障害と診断されたわが家の3歳児・しょーくんが
療育を利用することになったときに作ってもらった
「サービス等利用計画書」と「個別支援計画」について、
わが家の体験をもとに、できるだけわかりやすくまとめていきます。

2つの計画書は、しょーくんの暮らしを支えるためのもの
療育を利用することになったとき、
しょーくんにはいくつかの「目標」と「計画」が作られました。
でも、これは
しょーくんにだけ「頑張ってね」と課すための紙ではありません。
どちらの計画も、
簡単に言うと
「しょーくんが、しょーくんらしく暮らしていくために、周りの大人がどう支えるかを考えるためのもの」
です。
しょーくんが何かをできるようになるために、
- どんな声かけが必要か
- どんな環境があると安心できるのか
- どこで、誰が、どんなふうに関わるのか
そういったことを整理して、
支援の方向を決めるための計画なんです。
サービス等利用計画書とは?
まず、サービス等利用計画書(障害児支援利用計画)は、
相談支援事業所が作る「全体の大きなプラン」です。
どのくらい大きいかというと、
- 生活のこと
- 本人や家族の希望
- 周囲からどんな支援が必要か
といったように、
しょーくんを取り巻くいろいろな面から考えて作られます。
相談支援事業所は、
しょーくんに関わる支援全体を見ながら、
- どのサービスを使うか
- どことどこが連携するか
- 誰がどの役割を担うか
を整理してくれる、
いわば全体のまとめ役のような存在です。

個別支援計画とは?
それに対して個別支援計画は、
それぞれの施設や事業所が
「自分たちの場所で、どう支援するか」を具体的に決める計画です。
サービス等利用計画書が「大きな全体プラン」だとしたら、
個別支援計画は「その場所で実際に動くための具体的なプラン」です。
しょーくんの場合で言うと、
療育の場では、全体の目標に沿って
「療育ではこんな支援をしていきましょう」
という形で、より細かく内容を決めていきます。

サービス等利用計画書と個別支援計画の違いを簡単に言うと
ここまで読んでも、
「結局どう違うの?」
と思いますよね。
すごくシンプルに言うと、
- サービス等利用計画書=全体の大きな計画
- 個別支援計画=それぞれの場所での具体的な計画
です。
私はこの違いが分かってから、
計画書の内容がかなり読みやすくなりました。

たとえば、こんなイメージです
全体の計画の中に、こんな目標があったとします。
- 毎日お風呂に入りましょう
- 集団の中で楽しく過ごしましょう
このとき、
「毎日お風呂に入りましょう」は、主にお家で取り組むことになりやすいです。
一方で、
「集団の中で楽しく過ごしましょう」は、
療育や保育園のような集団の場で支えてもらいやすい内容です。
こんなふうに、
大きなプランの中に、場所ごとの役割がある
というイメージです。
全部を一か所で頑張るのではなく、
それぞれの場所でできることを分けて支えていく。
それが計画の考え方なんだな、と私は受け取りました。

実際にわが家では、どんな希望を出したのか
しょーくん本人から詳しく気持ちを聞き取るのは難しかったので、
計画には家族の希望が反映される形になりました。
当時、私たちが願っていたのはこんなことです。
- 本人から発語があるといい
- 年齢に沿ったことができるといい
- 集団の中で一緒に行動できるといい
こうした希望に対して、
大きなプランの中で目標や支援の方向が考えられていきました。

目標は「本人だけが頑張るもの」ではなかった
たとえば、こんな支援の考え方がありました。
ことばについて
しょーくんが意思表示をした行動を、
大人が一つひとつ言葉にして聞かせる。
大人からたくさん話しかけて、
しょーくんが言葉に触れる機会を増やしていく。
遊びについて
好きな遊びに集中して取り組めたときは、
その姿をしっかり認めて褒める。
集団について
いろいろなことに挑戦し、
「できた!」という達成感を味わうことで、
「やってみたい」という気持ちを育てる。
こうして見ると分かるのですが、
計画の中身は
「しょーくんが頑張ること」だけではなく、周りがどう関わるか
がとてもはっきりしています。
私はここに、かなり驚きました。
計画と聞くと最初は
「できないことを練習する」
「本人が努力して〇〇できるようになる」
というイメージを持っていたんです。
でも実際は違いました。
「周りがどう支えるか」まで含めて考えるのが計画だったんです。
正直、家族の希望どおりに進まないこともある
ただ、ここで難しいなと思うこともありました。
私たち家族から見れば
「年齢に沿ったことができるようになってほしい」
という気持ちは、どうしても出てきます。
でも、それをそのまま目標にしてしまうと、
しょーくん本人にとってはあまりにも遠すぎて、
現実的ではないこともあります。
当時の私は
「実年齢に追いついてほしい」
という希望を、どこかで強く持っていました。
でも今振り返ると、
その願いは気持ちとしては自然でも、
目標としては大きすぎたのだと思います。
達成できる形にしようとすると、
難易度はかなり高い。
正直、難易度SSS級です。
だからこそ、
「年齢に沿ったことができるといい」という願いは、
そのまま目標にするのではなく、
もっと小さく、もっと今のしょーくんに合った形に直していく必要があるんだなと感じています。

本当に必要だったのは、小さなステップだった
しょーくんにとって必要なのは、
いきなり遠くのゴールを目指すことではなく、
小さな小さなステップでした。
たとえば、わが家の中ではこんなふうに考えるようになりました。
- しょーくんが「楽しい!」と思える経験をする
- 周りの大人が、その楽しい気持ちを一緒に共有する
- しょーくんに「人といるのって楽しい」と感じてもらう
この土台があってこそ、
その先のことばや集団生活にもつながっていくのかな、と。
先の見えない壮大な目標は、
親の心も折れやすいです。
その反面、
「こうなってほしい」という願いは、いくらでも出てきます。
でも、計画に必要なのは
“ないものねだりの理想”ではなく、
“今のこの子に合った一歩”なんですよね。
個別支援計画の目的は「しょーくんらしく暮らせること」
私は今、個別支援計画の目的は
しょーくんを誰かと同じ形に近づけることではなく、
しょーくんがしょーくんのままで、
キラキラした笑顔でいられる生活をつくること
だと思っています。
できることを増やすことも大切。
でもそれ以上に、
- 安心して過ごせること
- 楽しいと思えること
- 周りの大人と気持ちを共有できること
そういう毎日の積み重ねが、
しょーくんにとっての「いい支援」なんだと思うようになりました。

モニタリングとは?
作った計画が、そのまま放置されるわけではありません。
立てた計画がしょーくんに本当に合っているか。
支援はうまく回っているか。
見直しは必要ないか。
それを確認する作業がモニタリングです。
モニタリングでは主に、
- 支援は計画どおりに実施されているか
- 今の支援内容はしょーくんに合っているか
- 見直したほうがいいところはないか
を確認していきます。
しょーくん本人、家族、相談支援事業所の職員、療育の先生などが関わりながら、
みんなで「今の支援、どうだろう?」を振り返る時間です。

計画は「見直していくもの」
計画は、一度作ったら終わりではありません。
より充実した生活ができるように、
定期的に振り返りをして、
必要があれば内容を変えていきます。
しょーくんも、
周りの環境も、
毎日少しずつ変わっていきます。
だからこそ、計画も
今のしょーくんに合わせて育てていくものなんですよね。

私が計画書を見て感じたこと
最初は「計画」と聞くだけで、なんだか堅苦しく感じていました。
でも実際に中身を見てみると、
そこに書かれていたのは
しょーくんを変えるための命令ではなく、
周りの大人が支えるための道しるべでした。
極端なたとえですが、
高い戸棚の上にある物を取るために、
「届くように頑張ってね」と言うのではなく、
踏み台を用意してあげよう
という発想に近いです。
【注意】
もちろん、現実にしょーくんに踏み台を渡すと、
パンやお菓子を食い散らかされるので……!!!!!!
あくまでイメージです。
でも、この考え方を知って、
計画に対する見え方がかなり変わりました。

まとめ|計画書は「前を向くための地図」だった
今回の記事では、
- サービス等利用計画書
- 個別支援計画
- モニタリング
について、わが家の体験をもとにまとめました。
専門用語が多くて最初は身構えてしまいますが、
実際は
「本人をただ見守るだけではなく、どう支えていくかを考えるための計画書」
なんです。
しょーくんの成長を急がせるためではなく、
しょーくんが安心して、その子らしく過ごしていけるように。
そして、周りの大人が方向性に迷ったとき、
もう一度立ち返るための言葉が載っているもの。
私はそんなふうに受け取っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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