息子が生活発表会で見せた無邪気な笑顔。
その瞬間、胸に湧き上がったのは
「この幸せを奪ってしまうのではないか」という強い自責の念でした。
我が家の長男「しょーくん」は、
知的障害と自閉スペクトラム症の診断を受けていて、
療育手帳はA2(重度)を持っています。
いよいよ近づいてきた卒園。
特別支援学校がしょーくんにとって最適な選択だと分かっていても、
保育園の友達や児童発達支援事業所との別れを考えると
「私が息子の好きなものを奪ってしまう」という気持ちに押しつぶされる日々。
この記事では、そんな葛藤を抱えながらも見つけた
「希望」と「選択」についてお伝えします。
進路選びに悩むママさん、パパさんたちが、
この記事を読んで心が軽くなることを願っています。

息子が年中だった生活発表会の日
生活発表会の日。
しょーくんが舞台に立つ姿を見た瞬間、
私は涙が止まりませんでした。
しょーくんは他の子のように大きな声で歌ったり踊ったりはできません。
それでも、
お友達と一緒にステージに立つその姿は、
それだけで私の心を揺さぶりました。

ここまで成長してくれたんだ…。
しょーくんの姿に胸がいっぱいになりながらも、
現実が押し寄せてきました。

この日常は、来年にはなくなるんだ…。
仲良しのお兄ちゃんは小学校へ進学。
そしてしょーくんは、
みんなと同じ小学校には進みません。
そればかりか、
3歳から通っていた児童発達支援事業所も、
春からは変わらなければなりませんでした。

しょーくんが大好きだった日常を、私が奪ってしまうんだ…
そう思った瞬間、
胸が締めつけられ、
涙が止まらなくなりました。
その夜、
タオルに顔を埋めて1時間泣き続け、
自分を責めました。
「どうしたらしょーくんにとって一番いい選択ができるんだろう」
「なにが正解なんだろう」
答えが見つからず、ただ涙が溢れるばかりでした。

辛さをSNSに投稿して吐き出す
涙でボロボロになりながら、
感情を整理するためにSNSに投稿しました。
これがのちのち、
私に大きな力を与えてくれることになります。
とりあえず1時間大泣きしてきました。
気持ちの整理がつかない。
特別支援学校が一番なのは分かってる。
小学校の支援級に行ってもしんどい思いをするのはしょーくん。
長い時間をかけて大好きになったものを何もかも取り上げてしまうのがただただ悲しい。
「しょーくんの幸せを願っているのに、どうしてこんなに苦しいんだろう」
そんな自問を繰り返しながら、吐き出した思い。
その後、多くのコメントが寄せられました。

SNSの反響に救われる
投稿に寄せられたのは、
同じような悩みを抱えた親御さんたちからの励ましの声でした。
「新しい環境で、
新しい『好き』がきっと見つかるよ」
「悩んでいる自分を責めないで。
親の愛があるからこそ悩むんだよ。」
特に胸に刺さったのは、
「今の幸せがなくなるわけじゃない。
新しい環境が息子の未来を広げてくれるよ」
という言葉でした。
多くの親御さんが同じ悩みを抱えながらも、
その先にある希望を信じて進んできたことを知り、
「私は一人じゃないんだ」と気づけた瞬間、
心の中が軽くなりました。

見学を経て決断するまで
SNSで背中を押された私は、
行こう行こうと思っていても、
なかなか行動できなかった
特別支援学校と支援級の見学を決めました。
・地域の支援級の見学:続く日常への期待と不安
地域の小学校にある支援級に思い描いたのは、
「今の延長線上の日常が続くかもしれない」という期待感でした。
しょーくんが知っている友だちと同じ学校で過ごし、
地域の先生や周りの人たちとのつながりが
これからも続く。
そんな未来を想像するだけで、
安心感を覚えました。
教室に入ると、
少人数の子どもたちがそれぞれの課題に取り組んでいました。
先生たちは明るく笑顔で子どもたちに声をかけ、
教室全体に温かな空気が流れていました。
その光景に、

ここなら、しょーくんも安心して過ごせるかもしれない
という思いがよぎりました。
しかし、
教室を出る頃には、
私の中で「でも……」という言葉が
何度も浮かび上がっていました。
しょーくんは今でも、
補助の先生がいなければ教室を飛び出してしまうことがあります。
その特性を考えると、
支援級の開放的な環境が
むしろ危険に思えました。
広い校庭や開け放たれた廊下、
複数の出入り口……。
私の目には、
それらが息子にとっての
「逃走経路」に見えてしまったのです。
「もし目を離した隙に、どこかへ行ってしまったら?」
その不安が膨らみ、
胸がぎゅっと締めつけられました。

・ 特別支援学校の見学:息子が安心して過ごせる環境
一方で、
特別支援学校の見学は、
大きな気づきをもたらすものでした。
学校全体に漂う穏やかな空気。
そして、
教室にいる子どもたちの、
落ち着いた表情。
それぞれのペースで過ごす姿が、
特別支援学校の持つ環境の特徴を物語っているようでした。
見学中、
授業中に突然廊下へ飛び出してきた男の子がいました。
しょーくんも飛び出すだろうな、
と思いながら見ていると…

(先生、どんな対応するんだろう…ドキドキ)
先生は慌てることなくその子の肩にそっと手を添え、

どうしたの?一緒に戻ろうか
静かに教室へと導いていました。
その瞬間、
私は心が熱くなりました。

ここなら、しょーくんも安心して過ごせる…!
そう確信したのです。

見学後の夫婦の対話:選択に迷わないために
見学を終えた夜、
夫にその日の感想を伝えました。
地域支援級での期待と不安、特別支援学校での安心感。
良い点と不安点を整理しながら、
私はこう話しました。

私はやっぱり、特別支援学校の方が息子に合っていると思う

うん、僕もそう思う
これからも二人で話していこう
その言葉に、
私は心から救われました。

私たちが選んだ道:特別支援学校という未来
私たちは最終的に特別支援学校を選ぶことにしました。
しょーくんが安心して過ごせる環境を優先した選択です。
少人数での丁寧なサポート、
一人ひとりの特性に合わせた授業。
特別支援学校ならしょーくんが
「自分らしくいられる場所」を見つけられる
と感じました。
決断後も、

本当にこれで良かったのかな?
と思うことはあります。
それでも、
見学で感じた温かな雰囲気と、
しょーくんが安心して成長していける姿を想像すると、

きっとこれで良かった
と思えます。

親としての気づき:「変化」は成長の一歩
「変化は怖いものではなく、
新しいものを迎えるきっかけになる」
そう考えるようになってから、
私の中に少しずつ希望が広がりました。
仲の良いお兄ちゃんとお別れしても、
新しい学校で新しい友達ができるかもしれない。
児童発達支援事業所を卒業しても、
新しい「好き」が見つかるかもしれない。
そう思えるようになったことで、
息子の未来が少し明るく見えてきました。
変化は怖いけれど、
その先には必ず「次」があると信じています。

同じ悩みを抱える親御さんたちへ
もしこの記事を読んでいる方が、
私と同じように悩んでいるなら、
こんな言葉を贈ります。
「どんな選択をしても、
それがきっと正解になります」
親が子どもの幸せを願い、
悩んで考えた選択に間違いはありません。
変化の先には、
新しい「好き」や出会いが必ず待っています。
それから、
「あなたは一人じゃない」
辛いときは、
ぜひ周りの声に耳を傾けてください。
あなたを支えてくれる言葉が、
必ず見つかるはずです。
子どもの進路選びは、
親にとって大きな試練です。
しかし、
その先には子どもと共に歩む新しい未来があります。
「あなたの選択が、
きっと子どもの笑顔を作ります」
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
未来への一歩を踏み出す助けになりますように。
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