卒園式が近づくたびに膨らむ不安
卒園式——それは子どもにとって、
そして親にとっても大切な節目の行事です。
初めて園に送り出した日のこと、
日々の成長を見守ってきた時間、
どれも思い返すと胸が熱くなりますよね。
でも、
障害を持つ子どもの親として、
この行事を迎えることに不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
私自身、卒園式が近づくにつれて
「しょーくんが長時間じっと座っていられるだろうか」
「大勢の中でパニックにならないだろうか」
と心配ばかりが頭をよぎりました。
他の保護者や先生たちに迷惑をかけないだろうか、
静かで厳粛で感動的な雰囲気を壊してしまうのではないか……。
そう思うたびに、
喜びよりも不安がどんどん大きくなっていったのです。
もともと行事に参加すること自体が、
しょーくんには大きなハードルでした。
運動会や生活発表会でも、
少しでも安心して過ごせるようにと何度も準備を重ねてきました。
それでもうまくいかないこともあって、
そのたびに
「もっと良い方法があったのでは?」
と自分を責めてしまうこともありました。
今回の卒園式でも、
私は同じように悩み続けました。
「どうすれば、しょーくんが安心して参加できるのだろう?」
と考える日々が続きました。
「職員室にあるディスプレイ見て、
それで参加ってことにしてもらおうかな…」
なんてことも考えていました。
卒園式は一生に一度の大切なイベント。
それだけに、
失敗したくない、
迷惑かけちゃいけないという気持ちが強く、
私自身がプレッシャーを感じていたのです。
親として子どもの成長を喜びたい気持ちと、
「負担をかけたくない」という思い。
その狭間で迷い続けていた私を救ったのは、
先生たちや専門家の支え、
そして「周りを頼る」ことで見えた新しい視点でした。
このあとお話しするのは、
私が不安を抱えながらも、
しょーくんとともに卒園式を迎える心構えができた経験です。
同じように行事に不安を抱えるパパさんママさんにとって、
少しでもヒントになれば幸いです。
相談がカギに!周囲に頼ることの大切さ
卒園式をどう乗り越えたらいいのか。
私が不安を抱えていたとき、
救いの手を差し伸べてくれたのが、
保育所等訪問の担当者でした。
正直なところ、
最初は「私の悩みを相談しても解決するのだろうか」と思い、
話すこと自体にためらいがありました。
でも、
勇気を出して話してみて、
本当に良かったと今では思っています。
担当者の方に電話で相談したのは、
運動会が終わり、
次の大きな行事は「卒園式」。
私は保育所等訪問の担当者に、
「しょーくんが大勢の中でパニックになったり、
騒がしくしてしまったらどうしよう」
「しょーくんが参加することで、
他の子や保護者の方々に迷惑をかけたくない」
と、自分の気持ちを正直に話しました。
そのとき、
担当者はとても親身に耳を傾けてくれました。
その中で、
こんな言葉をかけられたのです。
「しょーくんに無理をさせる必要はありません。
彼が負担なく参加できる形を一緒に考えましょう。それで十分ですよ」
その一言で、
私の肩の力がふっと抜けたのを覚えています。
私はずっと
「卒園式に出るなら、
しょーくんも他の子と同じように、
しっかり参加させなければならない」
「できないなら、
参加するべきではない」
と思い込んでいました。
でも、
担当者の言葉を聞いて、
「そんなことしていいの?
気を遣って言ってくれてる?」と半信半疑。
さらに担当者は、
「卒園式でどのようにサポートすれば、
しょーくんが安心して過ごせるか」を、
具体的に提案してくれました。
例えば、
- 式中に座る場所や、途中でリフレッシュできるスペースをあらかじめ用意すること
- 苦手な時間帯や状況を事前に先生方と共有すること
- 参加が難しいと感じたときは途中で退席する選択肢も考えること
この具体的な提案は、
私の心をとても軽くしてくれました。
親として子どものためにできる限り頑張りたいと思う気持ちは当然のこと。
でも、私たち親が一人で全てを抱え込む必要はないのです。
なにせ相手はプロですもんね。
信頼できる人に相談し、
周りの力を借りることで、
子どもにとって最適な形を見つけられる。
それが今回、
改めて私が得た大切な教訓でした。
もし卒園式や他の行事に不安を感じているなら、
まずは身近な専門家や信頼できる先生に相談してみてください。
きっと、あなたが思っている以上に周りの人たちは、
あなたとお子さんを支える準備ができているはずです。
一人で悩まないこと、
それが不安を解消する大きな一歩になりますよ。
先生の言葉に救われた日
卒園式を迎えるにあたり、
相談を重ねる中で、
保育所等訪問の担当者から電話をもらった日のことを、
今でも鮮明に覚えています。
その電話で聞いた担任の先生の言葉が、
私の心を大きく変えてくれました。
「しょーくんは、いて当たり前なんです」
担当者が伝えてくれたのは、
卒園式の相談の中で担任の先生が話してくれた言葉でした。
「クラスメイトの子たちにとって、
しょーくんはいて当たり前なんです。
だからみんなでそろって卒園しましょう。
しょーくんが参加すること、
それは何も特別なことじゃないって思っています」
その言葉を聞いた瞬間、
私は言葉を失いました。
ずっと
「迷惑をかけないように」
「周りに負担をかけないように」
そう思っていた私にとって、
先生の言葉は思いがけないものでした。
でも、
そうか——しょーくんはこのクラスの一員なんだ、
受け入れられているんだ。
そう思うと、
不安だった気持ちがふっと軽くなるのを感じました。
担任の先生も泣いた、その理由
そのとき、
担当者はこんな話もしてくれました。
「担任の先生も私も、
卒園式の話をしている途中で涙ぐんでしまったんです。
『しょーくんがここまで成長したことが本当に嬉しい』
っておっしゃっていました。
一緒に過ごした時間の中で、
しょーくんの頑張りを見てきたからこそ、
思い入れが強いんだと思います」
先生がしょーくんの成長をどれほど喜び、
大切に思ってくれているか。
その話を聞いて、
私も涙が止まりませんでした。
タオルがぐしゃぐしゃでした。
「しょーくんのために、
こんなに真剣に考えてくれる大人たちがいるんだ」
そう思ったら、
感謝の気持ちで胸がいっぱいになったのです。
「私たちは支えられてきた」涙とともに感じた感謝
電話を切った後も、
担当者と先生の言葉が頭をぐるぐる回っていました。
気づいたら、バスタオルを抱えて泣いていました。
顔をぐしゃぐしゃにしながら、
ただひたすら「ありがたいな」と思い続けていました。
「卒園したくない、
あと12年はここにいたい」
なんて、
おかしなことを考えながら泣きました。
私たち親子は、
ここまで多くの人に支えられてきたんだ。
担任の先生、
訪問の担当者、
そしてクラスメイトやその親御さんたち……
みんなが、
しょーくんの成長を一緒に見守ってくれて、
祝ってくれる。
そう思うと、
不安が感謝に変わり、
卒園式への気持ちが前向きになっていきました。
障害を抱える子どもの親として、
不安や迷いを感じるのは当然のことです。
でも、
周りの人たちに目を向けてみてください。
子どもを見守り、
成長を喜んでくれる存在が、
きっとあなたのそばにもいるはずです。
困ったときや心配なときには、
その人たちを頼ってみましょう。
その支えが、
きっとあなたの力になりますよ。
卒園式への不安が期待に変わるとき
卒園式が日に日に近づいてきます。
不安を完全にゼロにすることはできません、絶対に。
けれど、
その不安はいつの間にか「期待」へちょっとずつ変わっていっている気がします。
それは、
私たち親子がこれまで受けてきた周囲の温かいサポートがあったからこそです。
そして、
しょーくん自身の成長を信じる決意ができたからだと思います。
「子どもがどう過ごすか」を信じて見守る決意
卒園式当日が近づくにつれ、
私はこんな風に思うようになりました。
「しょーくんがどう過ごすか、
それをただ信じて見守ろう」と。
これまでは
「大丈夫かな」
「迷惑をかけないかな」とばかり考えていましたが、
先生の言葉や担当者のサポートを受けて、
少しずつ肩の力が抜けた気がします。
もちろん、
しょーくんが卒園式で長時間座り続けるのは難しいかもしれない。
途中で動きたくなったり、
外に出たくなったりするかもしれない。
でも、
それはしょーくんらしいやり方で卒園式を迎えるだけのこと。
完璧じゃなくてもいいんだ、
と自分に言い聞かせています。
大切なのは、
しょーくんがその場でできる限り安心して過ごせること。
そして、
それを私たち親が受け止めることだと思ったのです。
周囲の温かいサポートがあったからこそ迎えられる節目
この気持ちの変化を支えてくれたのは、
やはり周囲のサポートでした。
先生たちはしょーくんの特性に合わせたサポートプランを一緒に考えてくれました。
たとえば、
- しょーくんのペースで練習に参加し、どんな雰囲気かを体験する
- 式中に動きたくなったら落ち着ける部屋を用意する
- お気に入りの写真カードも手に持っておく
これらの準備を進めてくれる中で、
「私たちは一人じゃないんだ」
と改めて感じました。
子どもとともに、新たな一歩を踏み出す
卒園式は、
しょーくんにとっての大きな一歩であり、
私たち家族にとっても新しいスタートです。
これからもしょーくんには、
たくさんの壁が立ちはだかるかもしれません。
けれど、
あたたかい気持ちで卒園式を乗り越え、
「どんな困難も一緒に乗り越えていける」
という自信を持ちたいと思います。
同じ悩みを抱える親御さんへ伝えたいこと
卒園式や行事に参加することへの不安は、
障害を抱える子どもの親なら誰もが一度は経験するものだと思います。
私自身も、
何度も「本当に参加していいのだろうか?」と悩み、
不安に押しつぶされそうになる瞬間がありました。
でも、
振り返ってみると、
いくつかの工夫や考え方がその不安を軽くしてくれたことに気づきました。
今回は、
私が実際に試してみてよかった「不安を感動に変えるヒント」をお伝えします。
不安に押しつぶされそうなとき、できることは?
行事参加への不安が大きくなったとき、
一番大切なのは「一人で抱え込まないこと」です。
先生や専門家、家族、友人…信頼できる人に、
自分の気持ちを話してみてください。
不安を口に出すだけで気持ちが軽くなることがありますし、
相手から思いがけないアドバイスをもらえることもあります。
また、
具体的な不安に対して、
現実的な対策を考えることも効果的です。
たとえば
- 子どもが疲れたときの対処法をあらかじめ考える。
(途中退席や休憩スペースを用意) - 行事の流れを子どもと一緒に確認する。
(式の雰囲気を事前に体験させることで安心感を持たせる) - 「もし〇〇になったらこうしよう」と複数のシナリオを用意する。
- 安心グッズを用意する
(お気に入りの写真カード)
これらの準備を進めていくうちに、
「何があっても大丈夫」と思えるようになり、
不安が少しずつ薄らいでいきます。
行事参加を「感動の瞬間」に変えるヒント
行事に不安を感じると、
「成功するかどうか」にばかり意識が向いてしまいがちです。
でも、
行事の本質は「子どもと一緒にその瞬間を楽しむこと」だと思うのです。
たとえ完璧ではなくても、
あなたのお子さんがその場で頑張っている姿を見て、
周囲も温かく見守ってくれるはずです。
私が今までの運動会や生活発表会で感じたのは、
「その場にいるだけで十分感動的だ」ということでした。
- 周りがしょーくんを受け入れてくれている温かさ
- 子ども自身が自分なりにその場を乗り越えようとする姿
- 周囲のサポートと一緒に、親としてその瞬間を見守る喜び
行事参加の不安が感動に変わる瞬間は、
こうした小さな「頑張り」や「成長」を見つけたとき。
大切なのは、
結果ではなくプロセスを大事にすること。
親として「ここまで来たんだ」と自分をほめることも忘れないでくださいね。
ぜひ、あなたの経験もシェアしてください!
卒園式や行事に向き合う親御さんの気持ちは、
誰もが同じではありません。
それでも、
不安を乗り越える過程で得た経験は、
多くの親御さんにとって貴重なヒントや励ましになります。
あなたが感じたこと、
悩んだこと、
そして行事を通して得た気づき。
ぜひ、
その経験をコメントやSNSでシェアしてください。
同じように悩んでいる親御さんが「自分も頑張れるかもしれない」と
前向きな気持ちになれるきっかけになるはずです。
私たちもまた、
こうした経験を共有し合うことで、
さらに心強い仲間を得られるのだと思います。
一緒に、
お子さんの成長を喜び合いながら、
前に進んでいきましょう!
さいごに
卒園式という行事は、
子どもにとっても親にとっても大切な節目です。
不安を感じるのは当然のことですが、
周囲の力を借りて、
子どもと一緒にその瞬間を楽しむ気持ちを大切にしてください。
あと3か月で卒園です。
卒園式が、温かく感動的なものになりますように!
最後まで読んでくださりありがとうございました!!
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